ネットサービスを使ったデザイン依頼の注意点
ここ数年はオンライン会議、リモートワークなどのワードが慣れ親しんだように、オンラインコミュニケーションの幕開けになったと思います。Zoomなどのツールは、これまで知っていたけど、実際に使った事はなかった人が殆どではないでしょうか。
実は私もそのひとりで、本当にこれで仕事ができるのか最初は不安でした。
しかし、必要にかられ使っていると最初は精神的に疲れていましたが、それも無くなり、今ではコミュニケーション手段の一つとなりました。
時を同じくして、これまであったネットでのデザイン依頼、ネット発注サービスが注目されています。しかし安いから、手軽だからの理由で利用しても目的の成果にならず、「安物買いの銭失い」となってしまう事もあるので注意が必要です。
ネットでの発注サービスの普及?
現在、このようなワードで検索すると出るわ出るわ、とても増えました。逆に増えすぎてどこで発注しようか迷って選べない人も出てくるのではと思っています。そんな時は、名の通っている古株を利用する・・・そんな感じじゃないでしょうか。
各サイトを覗くと、沢山の仕事が活発に発信されているようですが、その多くは安価でデザインをしてほしいという依頼者にとって都合の良いメッセージです。
最もよく聞く話し
私は職業柄、公的機関でデザイン相談にも対応しているためネットサービスで依頼したけどうまくいかなかったというお話しをよく聞きます。ジャンルとしては、ロゴ、Web、印刷物、イラスト、動画、などです。
もちろん、的確に依頼すること、発注条件など完全に把握していること、など基本的なルールは大事ですが、依頼者の本質を理解できるまでのヒアリングができない土壌(テキストでのやりとりのみに制限)があり、結論から「本質」のデザインではないので、ルールだから支払ったけど採用しなかったというご意見を一番多く伺っています。
もう一つ上手くいかない理由は、登録されているデザイナーやクリエイターは、プロが少なくアマが多い事かと思います。勿論プロは自社のホームページや営業がいて受注できるので、登録は少ないです。
昔デザインを大学で習っていたからデザインアプリケーションを操作できる理由で登録している人や、スマホで写真を取っている延長でカメラマンに登録している人もいます。そんな質でも良いと割り切って発注するなら別に問題ないですが、売上に関する大事な手段をそこに注いで良いか疑問です。
適材適所
「だから悪いサービス」というのは判断が早いです。
自社で足らないものが、例えばプロのカメラマンだったら… 必要条件を満たしているか「実績」を教えてもらえば良いですし、機材をどのくらい持っているか、経験年数なども聞けば判断材料になるでしょう。
物撮りが得意かそれとも人物か、ロケハンもできるかなど自社が求めているイメージを先に構築して、相手に問い合わせれば良いと思います。
そんな初期の問い合わせで、私は良いカメラマンと出会った経験もございます。
運営が信用できない
ネット受発注サービスの古株の一つ「〇〇サーズ(以降A社とします)」のセミナーを受講した事があります。
それは「Webアナリスト検定」という資格を取得した後、紐付け展開で、案内を主催者からもらったから受講したのですが、A社はデザイナーの登録者を増やすため一生懸命のようです。
結局、A社の社員講師の言いなりで、登録案内をエントリーしてくださいとの事でエントリーを出しました。8日後、エントリーを見ていなかったとお詫びのメールが届きましたが、A社自体がいいかげんなんだと分かり、エントリーはやめました。ネットの時代、地球の裏側からの手紙のようなレスポンスでネットサービスはできないと思いました。
複合的なスキルはプロに頼んだ方が良い
特に「プロダクトデザイン」や「ブランド構築とロゴデザイン」、「Webデザイン」などは、ビジネスが分かっていないとできないスキルで、依頼者の考え、社会と業界の背景、ストーリーなど踏まえデザインする事でユーザーが共感してもらい、初めて「商品やサービス」を認知、あるいは購入に至ります。
つまり、アプリケーションが操作できるだけのような単純なスキルではなく、社会性、経験、コミュニケーション、ディレクション、理由に基づいた提案力、美的センスなど複合的なスキルが要求されるこれらデザインには、投資と理解して「ネット受発注サービス」でない場所で、プロに依頼する事をお勧めします。