「デザイン経営」の勧め
先月に、「大阪府よろず支援拠点」の公式メルマガにて、自分のコラムを投稿させて頂きました。「デザイン経営」という言葉をまわりではあまり耳にしないので、ここで知って頂けたらと書いてみました。
コラムは少し反響が良かったこともあり、デザイン事務所として文章を少し最適化して掲載します。
「デザイン経営」というワード
年々、流行りのビジネス用語や新しいワードが生まれています。
例えば、「ESG」。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を使った略語で、企業が持続可能なビジネスを行う上で考慮すべき重要な要素を示しています。
つい最近では、「ニューノーマル」や「DX」、「サスティナビリティ」というワードが記憶には新しいのではないでしょうか。
さて、本題の「デザイン経営」というワードはいかがでしょうか?
実は、5年前に経済産業省と特許庁で『「デザイン経営」宣言』という資料を取りまとめ、発表されたところからスタートします。
特許庁のサイトにデザイン経営について定義されている文章がありましたので引用させて頂きます。
「デザイン経営」とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法です。その本質は、人(ユーザー)を中心に考えることで、根本的な課題を発見し、これまでの発想にとらわれない、それでいて実現可能な解決策を、柔軟に反復・改善を繰り返しながら生み出すことです。
下記が【「デザイン経営」宣言】で、まとめた資料の中の【「デザイン経営」の定義】です。
(ちなみに、資料は特許庁のページより、ダウンロードできます)

見落としがちな投資に活路?
企業は、設備投資や人材投資、インフラ投資や流通投資など、もともとの企業価値で投資されていると思いますが、一部プロモーション投資はされているのだけど、「デザインへの投資」というところが重視されることなく、スルーされる場合が多いようです。
伸び悩み、頭打ちなど経営者の課題は尽きませんが、次の手を「デザイン経営」という観点で課題解決しようと実施するのであれば、外部から協働するというスタンスで、人材を招く選択肢も考えなければ実施が難しいかも知れません。

上記については、財力がある大企業や大規模中小企業にあたる内容のようです。
しかし、実施して頂きたいのは、特に、小規模事業者や100人以下の中小企業です。その事について書かれていなく、内容がとても良いのに、財力あるできる会社だけ実施すればいいというスタンスに見えるのが残念でならないです。
本当に「デザイン経営」を実施してほしい会社は
私は小規模事業者や小規模な中小企業を適正に売れていくために、「デザイン経営」の最適化を経営者さんと丁寧に組み立てて実施しております。
その方法は、私が経営者と共に事業計画に参加して、デザインディレクターとデザイナーを兼務する事で、複数のジャンルが異なるデザイナーを抱えると必ず発生するコンセプトのブレを抑え、コンセプトと視覚化の統一感を行うようにしております。人材が少ないと予算も少額となり、小規模事業者や小規模中小企業にも「デザイン経営」導入が可能になってきます。
参考になる資料
話しは戻って、この特許庁のサイトを辿って行くと、ダウンロードできる資料がいくつかあります。
読めばためになる事が多く非常に勉強になるのですが、内容が盛り沢山で、結局、自社にとってどう最適化するのか、また方針を立てて実行するには、なかなかハードルが高い場合があると感じました。ここでも、財力ある企業にしかできないようなイメージを持たれても仕方がありません。
そのダウンロードできる資料の中に、【2-3/中小企業のためのデザイン経営ハンドブック】という見出しがあり、PDFが読めるようになっています。
実はこの読み物の後半に、「先駆者に学ぼう!デザイン経営の実践例」というコーナーがあります。ここに複数の業種の事例があり、「デザイン経営」の具体的な実践が参考になると思いました。
それでも、自社へ完全に置き換えて考えるには専門家でないと難しいかも知れません。
自社のブランド力に改善の余地があるのか客観的に分析できる人材が必要かも知れませんし、商品自体が良かれと思って考え、結果自社の都合に合わせて構築されていて、ユーザー観点で最適化されていない可能性もあるでしょう。
そのような客観的な分析から、調査、商品デザイン、そしてブランディングは企業の生命線だと思います。
認知力を広め、価値あるブランドとして商品・サービスを売って頂くために、「デザイン経営」の導入をぜひ、ご検討ください。
予算もなく厳しいが「デザイン経営」導入を考えたい場合
それでもご予算が厳しい場合は、実行は自前で行う事になりますが、大阪では、「大阪府よろず支援拠点」でご相談して頂けます。「大阪府よろず支援拠点」は、国の経営相談所で、無料で何度でも繰り返しご利用いただけます。ご参考になさってください。